週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

セリフで振り返る『進撃の巨人』(9〜12巻)

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アニメ「進撃の巨人・シーズン5(ファイナルシーズン・パート2)」が2022年4月3日深夜の放送回「第87話:人類の夜明け」で最終回を迎え、残すは2023年に放送予定の「シーズン6(ファイナルシーズン・パート3)」のみ。

当方漫画勢。最終回まで読了しているが、ここらで一旦、原作漫画を全巻再読してみる。都合が良いことに、現在アマゾンプライムビデオの特典でシーズン1からシーズン5までが全て解放されているのでアニメ版も並行して全部見る。

本記事では、アニメ「進撃の巨人・シーズン2」に相当する原作漫画・第9巻から第12巻までを、印象深い劇中のセリフで振り返る。
「セリフで振り返る『進撃の巨人』(9〜12巻)」スタート!

■ 第9巻:「走らんかい!!」

ミケ「人は戦うことをやめた時初めて敗北する。戦い続ける限りはまだ負けてない」
このあと「やぁだあああ やめてぇええ」までがセットだが笑、ミケは1人で9体の巨人を引き受けた英雄だから大目に見てあげたい。これに関しては作者が遊びすぎ、意地悪すぎ。

サシャ「走らんかい!!」
くどいセリフが多い進撃の巨人の中で、シンプルな名言!

■ 第10巻:「もう俺には…何が正しいことなのかわからん…」

クリスタ「何か…武器があればいいのに…そしたら一緒に戦って死ねるのに…」
ユミル「彼らの死を利用するな。あの上官方はお前の自殺の口実になるために死んだんじゃねぇよ」
ユミル「お前はコニーや上官方とは違うだろ!本気で死にたくないって思ってない…いつも…どうやって死んだら褒めてもらえるのかばっかり考えてただろ?」
ウトガルド城でゲルガー、ナナバが巨人に殺され、武器を持たない5人だけが残されたときのユミルとクリスタの会話。ユミルはクリスタが好きだから、クリスタに生きる意思を取り戻してもらいたいと思っている。

ユミル「ただし約束だ…私がその約束を明かした時…お前は…本の名前を名乗って生きろ」
ユミル「クリスタ…お前の生き方に口出しする権利は私に無い。だからこれはただの…私の願望なんだがな。お前…胸張って生きろよ」
ユミル「自分なんて生まれてこなければ良かったと思ってた。ただ存在するだけで世界に憎まれたんだ。私は…大勢の人の幸せのために死んであげた…でも、その時に心から願ったことがある。もし生まれ変わることができたなら…今度は自分のためだけに生きたいと…」
塔から飛び降りて巨人化する直前のユミルのセリフ。ユミルは過去の自分と似た境遇にいるクリスタをなんとか救ってやりたかった。

コニー「オイ!ブス!!早くとどめ刺せよ!」
ブスとか言っちゃいけないとは思いつつも、好きなセリフ。かえってユミルとコニーの友情を感じてしまう。

エレン「死ね!!」
エレン「やった!!討伐数1!!」
いよっ!あんたが主役!

ライナー「きっと…ここに長く居すぎてしまったんだな。バカな奴らに囲まれて…3年も暮らしたせいだ」
ライナー「俺達はガキで…何一つ知らなかったんだよ。こんな奴らがいるなんて知らずにいれば…俺は…こんな半端なクソ野郎にならずにすんだのに…」
ライナー「もう俺には…何が正しいことなのかわからん…ただ…俺がすべきことは自分のした行いや選択した結果に対し戦士として最後まで責任を果たすことだ」
ベルトルト「ライナー…やるんだな!?今…!ここで!」
ライナー「あぁ!!勝負は今!!ここで決める!!」
ウォールローゼの壁の上で、唐突に開戦する場面のライナーのセリフ。最高に哀しい…。

エレン「ライナー…ベルトルト…このッ…裏切りもんがあぁああ」
エレン、巨人化して戦闘開始。訓練兵仲間だった頃の回想が入るのが哀しい。

■ 第11巻:「お前らは…兵士でも戦士でもねぇよ…ただの人殺しだ!」

エレン「なぁライナー、今お前がどんな顔してんのか知らねぇがお前ら本当にクソ野郎だよ。多分…人類史上こんなに悪いことした奴はいねぇよ」
エレン「てめぇはこの世にいちゃいけねぇ奴だ。一体何考えてたんだ?本当に気持ち悪いよ。お前の正義感に溢れたあの面構えを思い出すだけで…吐き気がしてくんだよ!このでけぇ害虫が!オレが今から駆除してやる」
エレン「何にせよ…最低の気分だ」
エレン巨人とライナー巨人の格闘戦の時のエレンの心のセリフ。

ハンネス「俺は…あの日常が好きだ…エレンに言わせりゃそんなもんはまやかしの平和だったのかもしれんが…やっぱり俺は役立たずの飲んだくれ兵士で十分だったよ。あの何でもない日々を取り戻すためだったら…俺は何でもする。どんだけ時間が掛かってもな…俺も行くぞ。お前ら3人が揃ってねぇと俺の日常は戻らねぇからな」
エレンが連れ去られて6時間もの時間が経過し、戦意喪失しかけたミカサとアルミンを励ますハンネス。野戦食糧バリボリ。

ベルトルト「ライナー…君は兵士じゃないだろ。僕らは戦士なんだから…」
ユミル「何となくだがわかった気がするぞ…おかしいと思ったよ壁を破壊した奴が命懸けでコニーを助けたりなんてな。自分が矛盾したことやってんのに無自覚だったんだよ。何でそんなことになったのか知らんが…おそらく、本来は壁の破壊を目的とする戦士だったが兵士を演じて生活するうちにどちらが本来の自分かわからなくなった…いや…もしくは罪の意識に耐えられず、心の均衡を保つため無意識に自分は壁を守る兵士の一人だと逃避し…そう思い込むようになったんだ。その結果心が分裂し記憶の改竄、話が噛み合わなくなることが多々あったって様子だなベルトルさんの呆れ顔を見るに…」
ユミル、説明が上手い笑。

エレン「なぁ…?ベルトルト、オレの母さんが巨人に食われた時の話をしたよな?どう思った?あの時…どう思ったんだ?」
ベルトルト「…あの時は…気の毒だと思ったよ」
エレン「お前らは…兵士でも戦士でもねぇよ…ただの人殺しだ。何の罪もない人達を大勢殺した大量殺人鬼だ!!」
ライナー「んなこたわかってんだよ!!お前にわざわざ教えてもらわなくたってな!!」
エレン「じゃぁ一丁前に人らしく悩んだりしてんじゃねぇよ!!もう人間じゃねぇんだぞお前らは!!この世界を地獄に変えたのはお前らなんだぞ!!わかってんのか人殺しが!!」
ライナー「その人殺しに何を求めてんだよお前は!?反省してほしいのか!?誤ってほしいのか!?殺人鬼に『人殺しは悪い』って説教を垂れたいのか!?それでお前は満足かよ!!もうお前らが知る俺らはいねぇんだぞ!?泣き喚いて気が済むならそのまま喚き続けてろ!!」
エレン「そうだな…オレがまだ…甘かったんだ。オレは頑張るしかねぇ。頑張ってお前らができるだけ苦しんで死ぬように努力するよ…」
ライナーやベルトルトにも大義があるという事を想像だにしていないエレン。ライナーやベルトルトも一切弁明せず"人殺し"の汚名を甘受するから話が噛み合わない。後にエレンも、ライナーやベルトルトと同じ地獄に堕ちることになる。

■ 第12巻:「お願いだ…誰か僕らを見つけてくれ…」

ベルトルト「一体どれだけ壁の外をさまよっていたんだ?」
ユミル「60年くらいだ。もうずっと…終わらない悪夢を見てるようだったよ…」
この設定は地獄すぎる…

ユミル「クリスタがそこまで来てる!!連れ去るなら今だ!」
ライナー「もしそうだとしても今は無理だ!別の機会にする!」
ユミル「機会を待つだと!?そりゃ私がお前らの戦士に食われた後か!?ダメだ!信用できない!!」
ユミル「私は…今じゃなきゃ嫌だ…!!今あいつに会いたい…!このままじゃ…二度とあいつに会えないんだろ?」
ライナー「クリスタはどうなる!?それでは助けられないぞ!?お前のわがままが理由でだ!!」
ユミル「ああ…それでいいよ。クリスタの未来を奪うことになっても私は生きてあいつに会いたいんだ。私はほんとにクソみてぇな人間だからな…」
ユミルは本心を言わないから、セリフの裏を読まなくてはならない。ライナーやベルトルトを従わせるために色々言っているが、結局のところユミルはいつでもクリスタを助けることしか考えていない。「第二の人生は自分のためだけに生きる」と誓ったはずなのに。この地獄みたいな世界の中いると、他人を死に追いやってまで自分が生きたいと思えず、自分の大事な人を守る事が生き甲斐になってしまうのかもしれないな。エレンもこのあとそうなっていくし。

ユミル「『お前のため』みたいなこと言ったけど本当は全部私のためだ。…頼むよヒストリア…私を…!私を助けてくれ!」
ヒストリア「言ったでしょユミル…何があっても私はあなたの味方だって!」
「自分のために生きろ」と散々ヒストリアに言ってきた手前、ウソをつくしかないユミルさん笑。

ミカサ「やはり先に…ユミルを…殺さなくては!!」
ヒストリア「待って…!ユミルを殺さないで!」
ミカサ「…それはユミル次第でしょ!?どうする!?私は邪魔する者を殺すだけ!選んで!」
ミカサ「私が尊重できる命には限りがある。そして…その相手は6年前から決まっている。ので、私に情けを求めるのは間違っている。なぜなら今は心の余裕と時間が無い」
この戦闘は3つ巴な上に、ユミル・ヒストリアの立場が定まっていないため複雑すぎて読者にとって心の置き所が難しい。その点、ミカサは分かりやすくていい笑。

ジャン「おいおいお前らこのまま逃げ通す気か?そりゃねーよお前ら…3年間一つの屋根の下で苦楽を共にした仲じゃねぇか…」
ジャン「ベルトルト、お前の寝相の悪さは芸術的だったな!…けどよお前…あんなことした加害者が…被害者達の前でよく…ぐっすり眠れたもんだな」
コニー「全部嘘だったのかよ…!?どうすりゃ皆で生き残れるか話し合ったのも、おっさんになるまで生きていつか皆で酒飲もうってはなしたのも…全部…嘘だったのか?なぁ!?お前ら…お前らは今まで何考えてたんだ!?」
ミカサ「そんなものわからなくていい。こいつの首を刎ねることだけに集中して。一瞬でも躊躇すればもうエレンは取り返せない。こいつらは人類の害。それで十分」
ベルトルト「だッ…誰がッ!!人なんか殺したいと!!…思うんだ!!誰が好きでこんなことをしたいと思うんだよ!!」
ベルトルト「人から恨まれて殺されても当然のことをした。取り返しのつかないことを…でも…僕らは罪を受け入れきれなかった…兵士を演じてる間だけは…少しだけ楽だった…嘘じゃないんだコニー!!ジャン!!確かに皆騙した…けどすべてが嘘じゃない!本当に仲間だと思ってたよ!!僕らに…謝る資格なんてあるわけない…けど…誰か…頼む…誰か…お願いだ…誰か僕らを見つけてくれ…」
四面楚歌で可哀想なベルトルト。ユミルはこの瞬間、ライナーとベルトルトに加担してあげようと思い始めた様子が表情だけで描かれている。

エルヴィン「進め!!エレンはすぐそこだ!!進め!!」
片腕を巨人に食われながら皆を鼓舞するエルヴィン。

アルミン「いいの?二人共…仲間を置き去りにしたまま故郷に帰って…アニを置いていくの?アニなら今…極北のユトピア区の地下深くで拷問を受けてるよ」
ベルトルト「悪魔の末裔が!!根絶やしにしてやる!!」
さっきまで萎れきっていたベルトルトがまた躁状態に…可哀想になってくる。

ヒストリア「ユミル!あなたが私に言った通り私たちはもう…人のために生きるのはやめよう。私たちはこれから!私達のために生きようよ!!」
ヒストリア「何だか不思議なんだけど、あなたといればどんな世界でも怖くないや!!」
ユミルの念願叶って、ついにヒストリアが自分のために生きる決意をした瞬間だが、ユミルは逆にベルトルト・ライナーに命を捧げることになるのが哀しい。

ミカサ「エレン聞いて。伝えたいことがある。私と…一緒にいてくれてありがとう。私に…生き方を教えてくれてありがとう。…私にマフラーを巻いてくれてありがとう…」
エレン「そんなもん何度でも巻いてやる。これからもずっとオレが何度でも」
さっきまであんなに勇敢だったミカサが、いきなりこんなにしおらしくなるのが不自然…。

ライナー「このまま故郷に行けばお前はまず助からないんだぞ…?逃げるなら…今だ」
ユミル「…何言ってんだバカ野郎。私はもう疲れた。もういいんだよ…もう」
ベルトルト「…ありがとうユミル…すまない」
ユミル「いいや…女神様もそんなに悪い気分じゃないね」
ユミルお疲れ様。