週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

映画ドラえもん「宇宙小戦争」新旧比べたら、やっぱり旧ドラ版がダンチだった話

2022年の映画ドラえもん最新作「宇宙小戦争2021」が早くもAmazonプライムビデオで見放題になっていたので観てみた。それなりに良い出来だった。
直後に1985年公開・旧ドラ版の「宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)」を観てみた。直接比べると、やっぱり旧ドラ版がダンチ(段違いに凄い)だった。
この記事ではそういう話をする。

私は別の記事で「映画ドラえもん 全41作レビュー」というのをやったのだが、次の7作品を上位に選んだ。
(1)「のび太の宇宙小戦争」第6作・1985年
(2)「のび太と鉄人兵団」第7作・1985年
(3)「のび太のパラレル西遊記」第9作・1988年
(4)「のび太の魔界大冒険」第5作・1984
(5)「のび太の大魔境」第3作・1982年
(6)「のび太の月面探査記」第39作・2019年
(7)「のび太のひみつ道具博物館」第33作・2013年

これに、「過去名作をリメイクした良作」枠として次の2作品を加える。
(8)「新・のび太の大魔境」第34作・2014年
(9)「のび太の宇宙小戦争2021」第41作・2022年

映画ドラえもん業界では、作風を一新した2005年を境に旧ドラ、新ドラという分類があり、(1)〜(5)は旧ドラ、(6)〜(9)は新ドラだ。
「旧ドラ、新ドラどちらが良いか」という論争があるが、旧ドラは全25作品、新ドラは16作品(2022年時点)とそれぞれに作品数が多く、二区分で語るのは難しい。そして歴史の長いキッズ向け映画の宿命か、正直言って映画ドラえもんの大半は語るに値しない駄作である。

そこであえてこれら9つの名作・良作に絞って比較してみる。

ここでカギになってくるのが、新ドラでリメイクされている「大魔境」と「宇宙小戦争」だ。
新ドラ版の「大魔境」と「宇宙小戦争」、観てみるとどちらもそれなりに良い出来だ。しかし、直後に旧ドラ版の「大魔境」と「宇宙小戦争」を観ると、ダンチなのだ。

大きな差を感じる部分がふたつある。
ひとつは、敵役の怖さや危険な冒険の雰囲気が旧ドラ版の方が圧倒的に高いこと。新ドラ版は、なんて言うか…「子供のみんなも安心して楽しめる、怖くない、ハッピーエンドが約束されたお話だよ!」っていうスタンスが最初から最後まで貫かれていてムードがないのだ。対象年齢がアンパンマンに近づいている感じ。
ふたつ目は、劇中に差し込まれるギャグの数も質も、旧ドラ版の方が圧倒的に上回っていること。新ドラ版は、なんて言うか…「ちょっとそこの男子!冒険の間にふざけてちゃダメでしょ!」って言う学級委員タイプの価値観で作られている感じ。
具体的なキャラ名で言えば、「大魔境」のペコと「宇宙小戦争」のピシア・ドラコルル長官。旧ドラ版ではどちらの言動もシリアスであると同時に、いい具合にギャグが入ってる。
どちらの要素も、新ドラ版の映画からはきれいさっぱり失われてしまった。そしてそれはこの2作品に限らず新ドラ映画全てに当てはまる。
私は映画ドラえもんの真骨頂は「ギャグとシリアスの同居」だと考える。上に挙げた(1)〜(5)の作品はそれがかなり高いレベルで実現されていて、親子で鑑賞したとき、それぞれに違うレベルの受け取り方で楽しめる。キッズ向け映画かくあるべし。

逆に新ドラの良さはなにか。
それは背景やキャラデザの綺麗さ。音楽も現代風に洗練されていること。中身の話じゃなくてそこ?という感じもするがこれが子供にとってはかなり重要なのだ。実際、うちの小学生の娘に好きな作品を聞いてみると、新ドラの「新・鉄人兵団」「人魚大海戦」といったとにかくかわいいキャラが出てくる作品ばかりを挙げてくる。
偏見かもしれないが、小学生女子って美男美女のキャラを出してクライマックスでムードのある劇伴音楽を流せば、中身がめちゃくちゃでも感動してボロボロ泣いてくれる。「宝島」とか「新魔界大冒険」とか。
いけない、新ドラの良いところを挙げるつもりがいつの間にかディスりになってしまった。

「映画ドラえもん 全41作レビュー」の記事は全作品について細々とレビューして4万7000文字もの駄文を書いてしまったので、この記事は短く締めたい。

現在、Amazonプライムビデオでは2022年の最新作「宇宙小戦争2021」も含めて映画ドラえもんシリーズが全て見放題になっている。しかも旧ドラの映画はアスペクト比をワイドに修正して画質も大幅に改善したリマスター版だ。
無料で観られる今のうちに観ておくことをお勧めする。
私がお勧めするのは最初にも挙げた次の7作品だ。
大人になって全41作品を一気観してガチレビューした私が面白さを保証する。

(1)「のび太の宇宙小戦争」第6作・1985年
(2)「のび太と鉄人兵団」第7作・1985年
(3)「のび太のパラレル西遊記」第9作・1988年
(4)「のび太の魔界大冒険」第5作・1984
(5)「のび太の大魔境」第3作・1982年
(6)「のび太の月面探査記」第39作・2019年
(7)「のび太のひみつ道具博物館」第33作・2013年