※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:日本で一番悪い奴ら (映画 2016年)
評価:★5(★★★★★)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B01N6SFNI0
2024年7月、「《衝撃スクープ》旭川17歳女子高生殺人犯・内田梨瑚(21)と担当刑事が不倫していた!」という週刊文春の報道に関連して、北海道警察の不正を主題にした2016年のこの映画がTwitterで話題になっていたのでAmazonプライムビデオで見てみた。かなり面白かった。
2時間14分と、かなり長尺の映画なのだが最後まで全くダレることなく最後まで見れた。めちゃくちゃすぎる状況をうまくギャグに昇華していて、何度も笑わされた。組織ぐるみで常習的に違法行為をしているという状況の中、「え、それ違法じゃない?」まともなことを言っているはずの次長が他のメンバに全く相手にされないシーンとか笑った。そういうギャグが最後まで絶えず続くから全然退屈するところがない。濡れ場も4回くらいあって、あの手この手で観客を楽しませてくれる。昭和〜平成初期の雰囲気もよく出ていたし、ヤクザとの対峙シーンの緊張感もすごい。そして何より重要なのが、これが実話だということ。
主人公が警察に入り、一人前と認められずにお茶汲みをしているところから、銃器対策課のエースとしてのしあがり、そして転落して、最後は警察にスケープゴートにされて9年の懲役刑になる。このドラマがすごい。イケイケの時はチヤホヤしていたすすきのホステス達が、諸星が落ちぶれ初めたとたんに手のひら返しで冷たくなってクラブのテーブル席にポツンと取り残されるシーンは切なかった。
ラストでは、北海道警察の不正を暴こうとしている弁護士(?)が刑務所に接見に来る。「あなたの罪の背後には道警からの圧力があったんですよね。あなたは道警の組織犯罪の被害者なんです。道警はあなただけに罪を着せて組織犯罪すべてを隠蔽する気です」ところが、諸星は警察の仲間をまだ信じているために道警をかばい、出所後は職務に復帰できると思っている。「警察の上層部に会ったら伝えてください。エースの諸星はやる気満々だったって」切ない…。
それに続くテロップで「諸星以外の道警関係者は未だ誰一人として逮捕されていない」。すごい作品だ。
この映画の主人公・諸星の実際の名前は稲葉圭昭。現在は出所していて『恥さらし ―北海道警 悪徳刑事の告白―』という著書で道警の不正を暴いているほか、いくつかのYouTube動画にも出演されている。2022年の動画で68歳だが、柔和でありながら何事にも動じなさそうでただならぬ雰囲気があってカッコよかった。これからこの人のYouTube動画や著作を読んでみようと思う。
【元悪徳警部の告白】北海道警のエースはなぜ、○物大量密輸と拳○所持に手を染めたのか?【稲葉事件】/丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー
https://youtu.be/hgW4oau8mC4
【映画概要 (Wikipedia)】
原作は稲葉圭昭による『恥さらし ―北海道警 悪徳刑事の告白―』(講談社文庫)であり、稲葉事件をモチーフに、現役警察官による覚せい剤取引や拳銃売買、そして背景にある警察の組織的な裏金作りや不祥事、それに翻弄され没落していく道警刑事を描いた作品。タイトルのみ、原作とは別に同じ事件を取材した織川隆のノンフィクション『北海道警察 日本で一番悪い奴ら』(講談社、だいわ文庫)から取っている。
諸星要一(綾野剛)は、大学時代に鍛えた柔道の腕前を買われて北海道警の刑事となった。諸星は強い正義感を持ち合わせているが、なかなかうだつが上がらない。そんな中、先輩刑事の村井(ピエール瀧)から、「刑事は点数、点数稼ぐには裏社会に飛び込み『S』(スパイ)を作れ」と教えられ、暴力団と密接な関係を持ちながら、上司からの難題を次々と解決していく。やがて、裏社会のスパイとともに悪事に手を染めていく。