週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー) 何者 (映画 2016年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:何者 (映画 2016年)
評価:★3(★★★☆☆)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y5P7M94

桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウ直木賞受賞作、「何者」を映画化した作品。原作小説を読んだあと、Amazonプライムビデオで鑑賞した。

ストーリーはほぼ原作そのままで、なかなか上手に映画化していると思う。邦画は見ているとかったるくて倍速再生したい欲が出てくることが多いのだが、本作はそう感じなかったのでそれだけでも上出来だとは思うが、特に心を動かされるまでは行かなかった。

本作は主人公の拓人の内面描写が多いので、もともとあまり映画化には向かない作品だったと思う。その弊害により、拓人がおそろしく無口で不気味なキャラになっていた。原作を改変してでも、もうちょっと拓人に喋らせても良かったんじゃないのか。

キャストは良かった。特に拓人の垢抜けていない感じが良かった。ジャケット写真は就活用の写真をイメージしているのか6人ともちゃんとしているけど、大学入学時〜光太郎の引退ライブのシーンの拓人のあのダサい髪型は大学生っぽくて特に良かった。ただ瑞月だけは小説のイメージと全く違った。有村架純のあの「小学生がそのまま大学生になりました」みたいな感じなんなの笑。俺の中の瑞月さんはもっと知的で芯のある女性だったのだが笑。

理香と拓人が二人きりの部屋でお互いの性格の悪い検索履歴を見て言いあいになるシーン、あそこはなぜか過剰なホラーみたいな雰囲気と音楽で笑ってしまった。なんか面白かった笑。

原作小説もそうなのだが、拓人が実は就職浪人で就活2年目であるという設定、これを終盤でミステリー・サスペンス作品みたいに種明かしする構成は気に入らない。その流れで「拓人はSNSの裏垢でこんなに友達の悪口を書いていました」って言われても…。だからどうしたっていうか、そりゃいろんな企業に落とされ続けることを2年も続けて、裏垢でこっそり他人の悪口を書くくらいのことしたくなるでしょう。拓人を安直な悪者に描くのではなく、もっと彼が就活で傷つく描写をするべきだったんじゃないの。

日常生活の中の人間の嫌な面にフォーカスしたミステリーを見たいのであれば、「イヤミス:イヤな気持ちになるミステリー」の名手こと湊かなえの小説を読んだ方がいいし、彼女の作品「告白」なら映画化もされている。この作品は就職活動という受験する側の若者にとっては苦行のようなイベントを描くにもイヤミスとしても中途半端だ。

ラスト、なぜか吹っ切れた拓人はある会社の就職面接で自分を正直に見つめて(?)、勝負を捨てたように自分語りをして「すみません、一分間では話しきれません」と晴れやかな雰囲気で会社を出て行くところで映画は終わるのだが、就職浪人した2年目の就職活動の終盤でこれはないと思った。彼は一体これからどうするの?まさかもう一年就職浪人できないだろうし、こんなのリアルじゃない。

【キャスト】
・二宮拓人 - 佐藤健
・田名部瑞月 - 有村架純
・小早川理香 - 二階堂ふみ
神谷光太郎 - 菅田将暉
・宮本隆良 - 岡田将生
・サワ先輩 - 山田孝之