週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー) チ。 ―地球の運動について― (アニメ 2024年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:チ。 ―地球の運動について― (アニメ 2024年)
評価:★3(★★★☆☆)
リンク:https://anime-chi.jp

現在放送中の2024年秋シーズンのアニメ、「チ。 ―地球の運動について―」を第6話まで見た。

原作漫画の噂は耳にしていて、気になっていた作品だったのでアニメ化されて無料で見られるなら渡りに船ということで見てみることにした。まず予告編動画をチェック。そこでなんとなく嫌な予感はしていたのだが、もしかしたら一部の評判通りの名作かもしれないので念のため本編を見ることにした。

残念ながら悪い予感は当たった。この作品は言われているほど面白くないし、感動もない。

一番がっかりなのは、史実とファンタジーをミックスしているところ。明らかにガリレオ・ガリレイが地動説を主張して宗教裁判で有罪になったという史実を元にしているのに、フィクション比率が思いのほか高い。

プトレマイオスとかアリストテレスとかソクラテスとか、古代の偉人の名前は実在の人物の名前が使われているが、主人公が生きる時代に出てくる人物の名前はほぼ「架空です」で逃げを打っている。

これは持論だが、歴史を題材に用いるならば、まず史実を踏襲しつつ、史実にない部分を作者の想像で補ってストーリーを作るのがマナーであり、またそういう制約を守るからこそ「歴史ブースト」みたいな魔法が掛かって作品の重みが増すのだ。司馬遼太郎作品とか、漫画では「キングダム」とか「蒼天航路」とか、みんなこのマナーに沿っている。(「司馬遼太郎作品は史実と違っている」という主張を持つ人がいるのは知っている。きっと彼らの言うことには一理あるのだろう。ただ、そういう批判が出ること自体が、その作品が歴史モノのマナーを守っていると万人に認められている証拠だ。)

最近のアニメで同じ理由でがっかりさせられたものがある。2023年10月から2024年3月まで第1期が放送された「薬屋のひとりごと」だ。中華後宮っぽい舞台設定を使っておきながら、登場人物の名前も時代も全て「架空です」で逃げを打っていて心底がっかりさせられた。「薬屋」はストーリーもつまらないためマジで見るべきところがひとつもない作品だったが、それに比べれば本作はまだ分からない。念の為もう少し続きを見る予定だ。

この作品が今後面白くなるかどうかは、ディテールをどう描くかに掛かっている。「教会がなぜ地動説をそこまで迫害するのか?」に対する答えが「教会の教義と矛盾するから」の一点張りではどうにも深みがない。逆に主人公側が迫害のリスクを負いながら真実を追求する理由も「真実は美しいから」の一点張り。浅い…浅すぎる。人間社会ってのはもっと、たっくさんの人間がみんな少しずつ異なる主張をする複雑なもので「地動説か、天動説か?」という単純な二元論ではないはずだ。それは日本の政治を見ているだけでもわかる。右派・左派の間に限りない数の政党や主張があるのだ。

そういう人間の複雑さに目を向けずに、残酷な拷問描写や、”美しい星空に感動”みたいな描写で観客を誤魔化すだけの展開が今後も続くのならば、この作品は駄作で終わるだろう。

Amazonプライムビデオで配信されていないのも不便!