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空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

★3(★★★☆☆) 始皇帝の戦争と将軍たち〜秦の中華統一を支えた近臣軍団/鶴間和幸 (本 2024) レビュー

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:始皇帝の戦争と将軍たち〜秦の中華統一を支えた近臣軍団/鶴間和幸 (本 2024)
評価:★3(★★★☆☆)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0D93CLSSB

漫画「キングダム」の背景や周辺知識を学ぶために何冊か本を読んでいる。これはその中で手に取った一冊。本のタイトルの通り、始皇帝や敵味方の将軍や中国統一までに行われたそれぞれの戦争について、史記などの歴史書の記述を拾いながら解説する内容だが、著者の主張や持論が弱めで退屈な内容だった。私が歴史家に期待するのは、ただ歴史書に書いてある内容を整理してそれを愚直に説明するだけではなく、歴史書に書いてある断片的な情報をつなぎ合わせて、そこに生きた人たちや社会を生き生きと復元することだ。この本はその点が弱く、凡庸な内容と感じた。こちとら大ボリュームの「キングダム」を読んでいるわけで、今さら李信・王騎・麃公・楊端和・桓騎・羌瘣・騰・昌平君・昌文君・呂不韋・李斯…これらをそれぞれ平均2,3ページで説明されたところでどうにもならない。

まあ、「キングダム」が好きすぎて、いくらでも情報をかき集めたいという人にとっては良い本だとは思う。本書の著者は「映画「キングダム」の中国史監修、ドラマ「始皇帝 天下統一」の監修を手掛けた」ちゃんとした中国古代史の先生のようなので、書かれている内容は信頼が置けるだろう。

私が一番本書で面白かったのは「戦国時代を物語る国境の変遷」として、戦国時代の各時代の地図が計10枚掲載されていたところ。特に「六国滅亡の10年戦争」として、韓・趙・魏・楚・燕・斉それぞれの滅亡時の6枚の地図の変遷は圧巻だ。

「キングダム」の副読本として読むなら以下の2冊の方がおすすめだ。

作品名:始皇帝 中華統一の思想/渡邉 義浩 (本 2019年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B07QFZV742

この本は、「キングダム」のストーリーに沿った掘り下げ、また逆に「キングダム」とは別の視点から見た秦国の姿を見せてくれてとても面白かった。当時の政治に影響を与えた儒家・法家そして道家の思想についての解説は良かった。特に道家思想を「キングダム」のキャラの龐煖に繋げてくる解説は感心した。また、秦は「分異の令」という政策によって氏族からの個人を切り離してバラバラにし、「什伍の制」で地域共同体の中で相互に監視させて人民を支配したという解説には戦慄した。

作品名:地図でスッと頭に入る 中国戦国時代/監修:渡邉義浩 (本 2022年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/4398144668

この本は見開き2ページでひとつの出来事を説明するため、ひとつひとつの出来事には深入りしない。そのため概要レベルの俯瞰した見方がしやすい。「キングダム」の漫画は逆に、ひとつひとつの戦争の描写をかなりじっくりと描いているので、お互いの長所・欠点を補完するような関係になっていて副読本としてとても良かった。そしてタイトルの通り、ほぼ全ての見開きページに地図が載っているのもよい。