※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:小学館 少年少女 人物日本の歴史 (学習漫画 1984〜7年)(全25巻)
評価:★5(★★★★★)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B074CF4TDG
鈴ノ木ユウの漫画「竜馬がゆく」を読んで、坂本龍馬の生涯を俯瞰で見るために家にある学習まんがシリーズで読み直してみた。
本作は小学館が1984年から87年にかけて刊行した人物伝形式の歴史学習まんがシリーズ「少年少女 人物日本の歴史」。全25巻中の第23巻が「坂本龍馬」で第24巻が「西郷隆盛」。幕末を2人の視点で見ることができるのでとてもわかりやすかった。
本シリーズはKindle化もされているが、全25巻中7冊(「1.縄文人の生活」「2.卑弥呼」「3.大王の時代」「11.悪党の活躍」「18.大名の生活」「21.農民一揆」「22.江戸っ子」)が除外され全18巻構成になってしまっている。また、Kindle版では巻末のコラムも削除されている。私はメルカリで紙の書籍で全巻を入手している。
私はさまざまな出版社、新旧含めてたくさんの学習漫画シリーズを読んできた(合計すると100冊くらい)が、その経験から以下2つが言える。
・通史形式(例 平安時代→鎌倉時代)よりも人物伝形式(例 平清盛→源頼朝)のほうがいい:通史形式だと教科書に書かれている事を漏れなく塗りつぶすことができるが、どうしてもストーリーがおざなりになる。ストーリーがよくできた人物伝形式で興味を持ち、人物と人物の隙間の知識は教科書を読めばよい。
・小学館の「少年少女 学習まんが」シリーズは別格。:私の認識が正しければ、「学習まんが」という企画を最初に立ち上げたのは小学館で、1981年に「少年少女 日本の歴史」シリーズ(最終的に全22巻)を刊行開始、1984年に「少年少女 人物 日本の歴史」シリーズ(全25巻)を刊行開始した。当時は漫画の価値が今のように社会的に認められていなかった。「漫画で勉強なんてもってのほか」こういう声も根強かったであろう時代にこの企画をゼロから立ち上げた熱意は並大抵ではない。実際、監修者のコメントもそういった気合いを感じるものだし、本の内容も現地取材の写真がたくさん盛り込まれていて、まんがも当時の時代風俗の描写や遠景のカットがふんだんに入っている。こういうカットを描くためにはたくさんの取材が必要になるはずだが、そういった労力を惜しまずいいものを作ろうという製作者の志が私には見える。
そういうわけで、日本の歴史を学ぶ学習まんがとして、私は本作をイチオシする。