週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー)「古事記 (角川 ビギナーズ・クラシックス)」 (本 2002年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:「古事記 (角川 ビギナーズ・クラシックス)」 (本 2002年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/404357410X
評価:★4(★★★★☆)

この「ビギナーズ・クラシック」シリーズを読むのは、樋口一葉の「たけくらべ」、鴨長明の「方丈記」、吉田兼好の「徒然草」に続いて4作目。本作は、現代語訳・原文・解説(コラム)が交互に載っている構成なので分かりやすくてとても気に入っている。内容を理解することを主とするなら現代語訳の部分だけを読めばいいし、それに加えて原文も味わうことも可能なのがよい。

この「古事記」は全文ではなくて抜粋となっている。基本的には楽して概要を把握できてありがたいのだが、序文や上巻は抜粋ではなくて全文を載せてほしかった。

本書の解説はとてもよくて、単に書かれている神話をそのまま解説するだけでなく、ひらがなやカタカナが無い時代に、太安万侶が漢字を使っていかに日本語を筆記するかについて苦悩したことや、古事記が一生懸命に史実を創造(捏造)しようとした名残が残っていることなどを教えてくれて、メタ的な視点を与えてくれる。こういう、長い時間を超えてプロデューサーの天武天皇や著者の太安万侶の息吹が感じられるようなエピソードはとても興奮する!

こういうエピソードを踏まえると、最高神の名前が「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」というのも、一生懸命ありがたそうな神様の名前を考えたみたいでより愛おしく思えてくるのだ笑。

(p.19)(コラム)「太安万侶の苦心 - 漢字による日本語表記 - 」:
>「古事記」はすべて中国産の漢字で書かれている。当時まだ国産のかな文字はなかった。そんな文字不足の状況にあって、稗田阿礼の記憶している日本語(やまと言葉)を、外国産の漢字を用いて、どうすれば正確に表現できるか。安万侶の苦しみはこの一点に尽きた。
>(太安万侶は)漢字の音と訓を交えて用いるという方法を採用した。たとえば…
>・国稚如浮脂而(くにわかくうかべるあぶらのごとくして【訓】)
>・久羅下那洲多陀用弊流(くらげなすただよへる【音】)

(p.34)(コラム) イザナキ・イザナミが最初の子に失敗したエピソード(その子供の「ヒルコ」という呼称)について:
ヒルコ(水蛭子)には「日る子」(日神の子)説と「蛭児」(ヒルのような児)説とがある

(p.61)(コラム) アマテラスとスサノオの対決について:
>「古事記」と「日本書紀」では記述が正反対である。本来は、日本書紀にあるように男神が生まれたら勝ちだった。〜(略)〜 では、なぜわざわざ本来の条件を捻じ曲げる必要があったのか 〜

(p.275)(解説)「天武天皇の決意 - 古事記の企画 - 」:
天武天皇は、若き舎人の稗田阿礼と「古事記」の編集に着手したのである。それは、諸氏族に伝わる系譜(帝紀)と古い伝承を収集して、天皇家のもとに統合することだった。「古事記」が完成すれば、政治の根本聖典として、天皇家に対抗する諸氏族を管理・統制でき、当然ながら、皇位継承をめぐる争乱を回避できる。

内容の日本の神話も、有名どころのオンパレードでとても楽しかった。漫画やアニメのモチーフでもよく出てくるので聞いたことのあるものばかりだが、再度まとめて知ることができて良かった。

・(p.22)天と地が分かれ、天上界に神々が誕生する
・(p.27)イザナキとイザナミの聖なる結婚 (日本国(大八島)誕生)
・(p.37)イザナキ、亡き妻イザナミを地底に訪ねる (黄泉の国訪問)
・(p.46)禊で生まれ出た姉アマテラスと弟スサノオ #と、ツクヨミ
・(p.53)アマテラスとスサノオの対決と和解 (天の誓約と子孫誕生)
・(p.62)岩屋戸にこもったアマテラスを誘うウズメの舞踏
・(p.72)スサノオ、大蛇を倒しクシナダヒメと結婚する (八俣の大蛇)
・(p.80)オオクニヌシ、ウサギを助けて幸運を授かる (因幡の白兎)
・(p.91)オオクニヌシ、アマテラスに地上を譲渡する (国譲り)
・(p.99)アマテラスの孫ニニギ、天上界から地上に降る (天孫降臨)
・(p.127)カムヤマトイワレビコを先導した神子の八咫烏 (神武東征)
・(p.154)荒ぶる皇子オウス(ヤマトタケル)、兄オオウスを殺す
・(p.157)ヤマトタケルの西征 (クマソタケル・イズモタケルを討つ)
・(p.166)ヤマトタケルの東征 (父への不信と叔母ヤマトヒメの慈愛)
・(p.169)野火攻めの火線を突破する (叔母の授けた草薙の剣と火打ち石)
・(p.172)オトタチバナヒメ、怒涛に身を投じる
・(p.178)ミヤズヒメとの再会と結婚、そして永別 (置き忘れた神剣)