賃貸のキッチンに元々取り付けてあったキッチン水栓が使いにくかったので、交換した。結果は成功。計画から完成までを記事にする。
【目次】
1.要件と機種選定
2.事前調査
3.新しい機種(KM5061NEC)の構造
4.取り外し
5.取り付け
6.食洗機用の分岐水栓取り付け
7.使用した工具や注意点
■1.要件と機種選定
元々取り付けられていた機種は「SF-WL420SYX」。本体に貼り付けられているラベルから機種名を特定することができた。


この機種の不満点は、主に以下の3つあった。
・シャワー機能がないこと
・ホース引き出し機能がないこと
・浄水機能がないこと
3つ目の「浄水機能なし」については、厳密にはスパウト(吐水口)の部分を浄水カートリッジ内蔵タイプに取り替えることで浄水機能は付加できるのだが、キッチンのシンク下に設置する大容量タイプの浄水器に比べるとカートリッジが小型のため、浄水の出る勢いが弱くて、ランニングコストも嵩むことが目に見えているので使いたくなかった。
スパウト(吐水口)の形状はメーカー固有で、その形状にあった浄水カートリッジとなると、それもメーカー固有の専用品となる。メーカーからすれば、ユーザーが継続的に浄水カートリッジという形で課金し続けてくれるので実に安定したビジネスモデルになるが、ユーザーとは利益相反する。メーカーは当然、こういう機種のラインナップを増やして誘導しようという思惑があるから気をつけなければならないポイントだ。私は絶対にその手には乗らない笑。
私が求める要件は以下。
(1)シャワー機能(切り替えボタンが大きいものがいい)
(2)ホース引き出し機能
(3)ワンホール型(現在の水栓を取り外したあとの穴ひとつのみで固定できる)
(4)ワンハンドル(いまどきワンハンドルじゃないほうが珍しい)
(5)エコ水栓(ワンハンドル型で、意識せずにお湯を使ってしまうのを避けるためレバー正面の角度まで「水」が出るもの)
(6)大容量タイプの浄水カートリッジ(通常はシンク下設置)
(7)食洗機を増設可能(分岐水栓オプションがある)
LIXIL、TOTO、サンエイのカタログを調べた。LIXILはいろんな種類の水栓をラインナップしているが、浄水器がスパウト(吐水口)内蔵タイプばかりで要件に合わず。TOTO、サンエイはシステム全体売り志向で、そもそも部品単体売りに積極的ではなさそうな感じ。
KVKというメーカー一択だった。KVKは部品単体売りを積極的にしていてラインナップが豊富で、施工説明書などもインターネットで公開しているので今回の私のようなDIYのユーザーに対してユーザーフレンドリーで好感度が高い。
私がいろいろなカタログを見た感じでは、(3)と(6)の要件を両立するものが極めて稀で、たぶん私が選定したKVKの機種が唯一のものなのではないかと思う。
【私が選定した機種】価格はいずれも税込、販売価格はネットでの最安クラスの価格を調べた
・KM5061NEC:定価112,970円/販売価格50,000円
・Z38450(上記機種に適合する浄水ユニット):定価48,400円/販売価格27,000円
・ZK5021P(上記機種に適合する分岐水栓ユニット):定価24,926円/販売価格15,000円
・合計:定価186,000円/販売価格92,000円
定価の約半額で購入できる。水道屋に頼んだら、いくらくらいになるのだろう?定価+技術料を取られたら、20万円近くになるので、それを約半額の9万円くらいに抑えられるのであれば、やってみる価値はある。
■2.事前調査
上記の部材を購入する前に、「細かい規格や寸法が適合するか」「取り外しと取り付けを自力でできるか」を確かめた。
まず、「細かい規格や寸法が適合するか」について。
水道管との接続については、「G 1/2」というサイズのネジ・ナットが水回りの共通規格として存在し、既設機種と新しい機種のどちらもこれを採用しているので問題なく接続できるだろうと判断した。
また、機種の土台部分のワンホールの規格については、施工説明書にて既設機種も新しい機種も共通で「水栓取付穴:φ35~φ39㎜、カウンター厚:6~30㎜」と書かれており、完全に仕様が同一であることがわかったので、これも問題なく新しい機種を設置できるだろうと判断した。
次に、「取り外しと取り付けを自力でできるか」について。
これに関して、一番の難関と考えたのが既設機種の取り外しだ。長年使った水栓は台座部分でシンクと固着しまっていることがあるのだ。そして実際、私の場合もそうだった。Webで入手した施工説明書に従って進めていくと、「(台座下部の)カバーリングを180度回す」という手順で行き詰まった。施工説明書では手で軽々と回しているのに、力を込めても全然回らないのだ。

その日は一旦作業を諦めて、Webで調査し、この手の作業には「ベルトレンチ」という道具が適していることを知り、「高儀(Takagi) ベルトレンチ ブルー」750円(税込・送料込)をAmazonで購入。この道具を使って再挑戦したところあっさりと回った。この道具は安くて有用で、とても気に入っている。新鮮なゴムの匂いも好き。


これで既設機種の取り外しができることがわかったので、あとは規格品の接続のみ。「いける」と判断した。
■3.新しい機種(KM5061NEC)の構造
「自力でいける」と判断したので、新しい機種を発注し、納期も短く2日ほどで入手できた。
設置前に、新しい機種(KM5061NEC)の構造と接続をシミュレーションしてみた。

入力は水道管のお湯と水を接続する。
通常のお湯と水はメインのレバー操作で混合操作をし、浄水はメインのレバーを止めた状態で下部の小さいレバーを開けると浄水が出てくる。通常のお湯と水を使った後に浄水を使う場合は、ホースの長さ分だけ通常のお湯や水が残っているので、浄水でその長さ分のお湯や水を押し出して捨ててからコップに浄水を注げば良いことがわかる。
■4.取り外し
いよいよ、実際の作業をする。
まず、水道の元栓を閉める。うちの場合はシンク下に元栓がなく、家全体の元栓を閉めてから作業に取り掛かった。
既設機種の本体を台座から取り外すところまでは「リハーサル」通り。
次に、本体を家の水道から切り離す。「G 1/2」ナットのところで取り外すのではなく、施工説明書でいうところの「ジョイント」と呼ばれている箇所で取り外した。「クイックファスナー」というクリップみたいな部品を取り外すと「ジョイント」は引っ張るだけで簡単に外れた。

つづいて、本体と台座を取り外す。


あとはこの「ジョイント」を新しい機種に接続すれば良いだけなのだが、「ジョイント」の部分をよく見ると、元栓を閉めているにも関わらず、少しずつ水が漏れ出ていたので、新しい機種を台座にしっかり固定して準備ができるまで、シンク下で既設機種を「ジョイント」に再接続をして水を止めておく。
■5.取り付け
既設機種を取り外した穴に、新しい機種を取り付ける。
施工説明書の通りに、上から本体を差し込んで下から座金を入れて「プラグ」を締め込むのだが、「プラグ」を締め込む専用工具「KPS957B(別売)」が無かったためにモンキーレンチを使って締め込んだ。この部分、4本の導水管が密集している部分のためにモンキーレンチと干渉して結構苦労した。幸い、10分くらいでしっかり締め込むことができたが、モンキーレンチでしっかり締め込める保証はどこにも無かったわけで、ちょっと冷や汗をかいた。狭いシンク下に仰向けになって上半身を突っ込んで、腕を折りたたんでモンキーレンチをちょっとずつ回す作業は地味に辛かった。
ちなみに、本体が回らないように抑えるもうひとつの専用工具「G26(別売)」の方は特に無くても問題なかった。

しかし一番の冷や汗ポイントはこの次の手順で、「ジョイント」を上水道の導水管と接続するところだった。なんと、、、長さが足りなかったのだ。既設機種と新しい機種では同じ「ジョイント」規格を使っているので接続は問題ない、、、と思いきや、新しい機種の導水ホースの長さが既設機種よりも10センチくらい短かったために、届かない!
お湯の方は届いたが、水の方が届かない!足りない長さは10センチ弱。
「G 1/2」規格の延長導水管を近くのホームセンターで探して購入するしかないか、と思ったのだが、その前にダメ元で壁に導水管を固定してあったビスを外してみた。すると、導水管は固い金属タイプの管ではなく、柔らかいチューブタイプだったため、斜めにすることができ、なんとか無事に接続することができた。

この後、細かな手順は省略するが、浄水ユニットとの接続などは特に問題なくできた。
取り付け後、使用テストを行い、特に問題なし!既設機種に比べてめちゃくちゃ使いやすくて大満足。浄水器も大容量なので流量も十分。ペットボトルの水を買いに行かなくてよくなるのが嬉しい。
ただし、漏水のリスクは怖い。取り付けしてからしばらくは、上水道管との接続部分にタオルを巻いておいて、1日1回、濡れていないかを確かめる「漏水チェック」をせずにはいられなかった。万が一漏水事故を起こしたら、階下の住民への損害賠償とかで洒落にならんことになる可能性があるわけで、そこまで考えるとやっぱりプロに依頼するのが無難だったとおもう。もうやっちゃったけど。
■6.食洗機用の分岐水栓取り付け
最後に、食洗機用の分岐水栓(ZK5021P)を取り付ける。
注意点としては、食洗機には水ではなくお湯を送るようにすること。この分岐水栓は向かって左側がお湯の分岐穴、右側が水の分岐穴となっていて、工場出荷時は水を食洗機側に送るようになっているので、左右を付け替える必要があった。
あと、モンキーレンチでは開き幅が足りないくらいの大口径のナットを回す必要があったので、私はこのために工具を買った。
「トップ工業 (TOP) ライトモーターレンチ パイプレンチ 口開き0~70mm LMW-280」4000円(税込・送料込)
さらに、このナットを緩めたり締めたりするときに本体を押さえるために、ベルトレンチがまた活躍した。施工説明書では専用工具「G26(別売)」を使うことになっていたが、ベルトレンチで特に問題なく代用できた。本当にこの道具は素晴らしい。

手順自体は特に難しいところはなく、作業途中の写真も撮っていないので完成図だけ。

■7.使用した工具や注意点
「基本工具」のプラスドライバー、マイナスドライバー、六角レンチ各サイズ、の他には以下の工具を使った
・モンキーレンチ(持ってた)
・プライヤー(持ってた)
・パイプレンチ(新規購入)
・ベルトレンチ(新規購入)

施工手順書には、各部位の締込みトルクが(1000N・cm)などと書かれているが、私は自分の感覚だよりで、内部でパッキンが圧縮されている感じを想像しながらトルクを加減した。たぶん問題ないと思う。。