週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

Whole Earth Catalog(全地球カタログ)が無料でダウンロードできる件

「Whole Earth Catalog(全地球カタログ、以下WECとする)」をご存知だろうか。ちょっと長いがWikipediaからの抜粋を載せる。

>『全地球カタログ』、英語でホール・アース・カタログ(英語: Whole Earth Catalog)とは、アメリカ合衆国で発刊された、ヒッピー向けの雑誌(カタログ)。WECと略される。
>本カタログは、"最小のもので最大を成す" というバックミンスター・フラーが提唱した思想(ダイマクション )から生まれたものであった。
>(フラーは「宇宙船地球号」という考え方を提唱し広めた人物であり)当カタログの創刊号(1968年 FALL)の表紙を飾ったのは、1966年にブランドが起こした運動が功を奏してNASAから発表された、宇宙に浮かぶ地球の写真である。 掲載される商品は、" 環境と調和した新たな生き方 " に役立ち、それでいてクールな道具だった。つまりヒッピー・コミューンを支えるための情報や商品がカタログのように掲載されていた。
>1968年から年2回のペースで発行され、ページ数が多い号では数百ページもの厚さにも及んだ分厚いカタログである。ヒッピーたちにバイブルのように扱われ、発行部数250万部ものベストセラーとなった。
>『宝島』『遊』『POPEYE』など日本の主要なサブカルチャー雑誌にも大きな影響を与えたとされる。
>だが、やがてヒッピー文化は次第に下火となり、1971年に当カタログの定期刊行は終わりを迎えた。裏表紙にバックミンスター・フラーの次の言葉を飾って廃刊した。
>>Stay hungry. Stay foolish.

スティーブ・ジョブズがスピーチでWECに言及したことも有名。以下もWikipediaから抜粋。

スティーブ・ジョブズは全地球カタログについて、2005年6月に行われたスタンフォード大学の卒業式にゲストとして招かれ式辞を述べた際に、次のように言及した。
>>「若かった頃、すばらしい本に出会った。「ホールアースカタログ」。私たちの世代のバイブルだった。当時は1960年代後半で、まだDTP(パソコン編集)などできない時代だったので、このカタログは全てタイプライターとハサミとポラロイドカメラでつくられていて、いわば「紙でできたグーグル」だった。グーグルが誕生する35年前に作られたものだった。理想を掲げ、素晴らしいツールと気づきにあふれていた。」

全地球カタログ。すごい名前だ。私もこのスピーチでWECを知ったが、その後特に調べることもなく、ただその特徴的な名前だけが頭に残っていた。先日、次の記事を偶然見つけて、WECが無料で閲覧およびダウンロードできるようになっていることを知った。

(WIRED.JP: 『WHOLE EARTH CATALOG』の“決定版”がオンライン無料公開──復活の意義は「読者が決める」)
https://wired.jp/article/whole-earth-catalog-now-online-internet-archive/

WECをWeb上にアーカイブするプロジェクトのWebページは以下。WECとその関連誌の各号の概要がまとめられていて、読みたい号をクリックするとそのまま読み始めることもできて結構使いやすい。
https://wholeearth.info(https://wholeearth.info/)

そのままブラウザで閲覧してもよいのだが、全ページ画像ファイルでサーバー側にもクライアント側にも結構な負荷がかかるのでWeb上にある号を全てダウンロードすることにした。

Wikipediaにある全号リストと照合してみると、全35号中20号がWeb上にアーカイブされていることが分かった。WIREDの記事によれば「いずれはすべての号が収録される予定だ」とのことだが、このペースだと全号揃うかあまり期待できない気がする。また、掲載されている”概要”の情報が結構間違っているので油断ならない笑。

・「March 1970」号と「Spring 1970」号の掲載順が逆になっている
・「September 1970」号を誤って1971年と記載している
・「June 1971」号を誤って「January 1971」と記載している
・「April 1974」号として記載されているのはおそらく本誌ではなくて「October 1974」の予告号(ティーザー)

(↓)Wikipediaの全号リストとInternet Archive上の有無まとめ

(↓)DeepL翻訳アプリを使いながら少し読んでみた

上述のWIREDの記事ではWECという本の存在意義について以下のように書いている。

>「70年代に発表していた『WEC』は、主体性を人々に与えることを目的としていました」と、ブランドは言う。「読者たちは、興味をもたない受動的な人から、能動的に動いてさまざまなことに興味をもつ人へと変わっていったのです。(カタログに記載された)それぞれのレビューは、『若いうちに何かやっておかなくては』と思わせてくれる、少しだけ開かれたドアのようなものでした。そして、多くの人がその扉を通っていったのです」

読んでみて最初の印象は「単なるモノマガジンじゃん」だったが、当時はインターネットもない世界。なるほど、たしかに70年代に自分の周りだけの狭い世界に暮らしていた若者がこの本を読んだら、自分の知らない世界に触れるような感覚になって、それをきっかけに何かを始めてみようという気分になりそうだ。なるほどなー。

WECは歴史的な資料だ。現在はインターネット上でWECが閲覧・ダウンロード可能になっているが、それがいつまで続くか分からないので、今回ダウンロードしたpdfファイルはNAS上に大事に保管しておこうと思う。