週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー)「徒然草(ビギナーズ・クラシックス)」(本 2002年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:「徒然草(ビギナーズ・クラシックス)」(本 2002年)

https://www.amazon.co.jp/dp/B00A462KI0/

評価:★4(★★★★☆)

この「ビギナーズ・クラシック」シリーズを読むのは、樋口一葉の「たけくらべ」、鴨長明の「方丈記」に続いて3作目。本作は、現代語訳・原文・解説(コラム)が交互に載っている構成なので分かりやすくてとても気に入っている。内容を理解することを主とするなら現代語訳の部分だけを読めばいいし、それに加えて原文も味わうことも可能なのがよい。

この「徒然草」は全文ではなくて抜粋版のようだ。章が第1段から第243段まであるうちの75段分が抜粋されて掲載されている。分量は、75段分の現代語訳/原文/寸評と、コラムや解説を合わせて約280ページ。前に読んだ「方丈記」は全体の分量が少なかったので現代語訳を読んだ後に原文も一応読んで味わったが、この「徒然草」は原文を読むにはちょっと長く感じてほとんど現代語訳だけを読んだ。

原文は、以下の有名な序文だけを知っていれば十分な気がする。

>つれづれなるままに、日暮らし硯に向かひて、心にうつりゆく由なしごとを、そこはかとなく書き付ければ、あやしうこそもの狂ほしけれ。

読んだ感想は、「三大随筆」に数えられている「方丈記」と比べると、私は「方丈記」の方が好きだ。この「徒然草」はなんか器の小さいジジイが延々と小言を垂れ流しているような感覚なのだ。

著者の吉田兼好は、身分の高い者や教養のある者を礼賛してその逆を貶める。基本的にこれが最初から最後まで続く。無教養な者に対する批判、身分が低い者はたいてい品性がないと批判、節度がないものを批判、みっともない、見苦しい、分をわきまえてでしゃばるな、つつましくせよ…という感じ。

たしかにまあ、言っていることはたぶん間違っていないんだろうけど、この人がより高次の真理に到達しているかというとそれほどとは思えない感じ。小物感がある笑。

そんな中で、女性論は結構過激なことを言っていて面白かった。

>p.33「女の色香の威力」

>(原文)世の人の心惑はすこと、色欲にはしかず。〜
>色欲ほど人間を迷わせるものはない。なんて人間はばかなんだろう。香りなんか、ほんの一時的なものなのに、着物に薫き染めた香りとは知りながら、すばらしい芳香をかぐと、心をときめかせてしまう。その昔、久米の仙人が、川で洗濯している女の、裾をたくし上げてあらわになった脛をみて、神通力を失い、空中から落下したという伝説がある。女の手足や肌がきめこまかくて、むっちりと脂ののっているのは、他の色と違って女の色香だから〜

>p.142「女の本性ねじけ論」

>こんなふうに、男に強く意識されている女という存在は、どれほどすばらしいかと思うと、実際はまるで逆、女の本性はゆがみきっている。自分を主とする利己主義で、欲望が激しく、ものの道理をわきまえない。
>本心を隠し、外見を飾ることでは、男よりもはるかに頭が回る。
>まことに、女というものは、素直さに欠けた、くだらない存在である。
>もし賢女というものがいるとしたら、逆に、女らしさがなくて、ぞっとするに違いない。
>女というものは、その色香に支配されて、彼女の言いなりになっているときだけ、優しくて魅力ある存在に思えてくるような代物にすぎない。

>p.232「独身礼賛論」

>(原文)妻(め)といふものこそ、男の持つまじきものなれ。〜
>妻というものは、男の持ってはいけないものである。
>「どこそこの婿に入った」とか、また、「これこれの女を家に入れて同居している」などと聞くと、心底、幻滅を感じさせられてしまう。どうせ、大したこともない女を最高だと舞い上がって、夫婦となったに違いない〜
>要するに、互いに離れて暮らしているままで、ときどき女を訪ねて泊まるような形にすれば、長年たっても二人の仲は切れることがないだろう。

「金持ちと貧乏は結局同じ」と語った以下の章段もけっこう好き。

>p.246「貧富平等論」

「月見や花見をするとき、満月や満開の花だけが最高なのではない。最盛期に至るまでと最盛期を過ぎてからも風流なのだ」とする以下の章段もけっこう好き。

>p.176「始めと終わりの美学」
>(原文)よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ。