※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。
作品名:千夜一夜物語 (アニメ映画 1969)
評価:★4(★★★★☆)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6KLC2NB
やなせたかしの自伝を読んでいたらこのアニメ映画のことが出てきて(やなせたかしはキャラデザを担当、制作総指揮と脚本が手塚治虫、虫プロ製作)、検索したらYouTubeで期間限定無料公開していたので見てみた。(あとでまた調べたら、Amazonプライムビデオの無料分にも入っていて、こっちの方が画質音質が良い気がするのでこっちで観ればよかった。)
あまり期待せずに見てみたら冒頭20分くらいは意外と面白い。しかしそこから先は、千夜一夜物語(アラビアンナイト)の色々なエピソードをツギハギしていて、ストーリーに一本筋が通っていない感じではっきり言ってつまらない。でもってオチだけそれっぽく締める感じがいかにも手塚治虫らしい。
期待(?)していたエロシーンはそれほどでもない。おっぱいは常に丸出しだが、それ以外のエロいシーンは抽象表現だったりカーテンの向こうのうっすらとした影だったり、かなり抑えていて、個人的にはこのレベルなら小中学生に見せても問題ない。
作画は手抜きが目立ち、アニメというより紙芝居に見えるシーンも多々あるが、実写との合成とか、性的シーンを抽象表現したりとか、いろいろ当時ならではの実験的な試みも見ることができ、そういう意味では見応えがある。
鑑賞後にWikipediaを読んだら、そっちの方が面白かった。以下、Wikipediaからの抜粋。
【企画と興行成績】大人向けのアニメとして「アニメラマ(=アニメ+ドラマ)」とのキャッチコピーで売り出された。興行成績は、配給収入で2億9000万円と大ヒットとなり、1969年の5位にランクする結果となった。本作の興行的成功に伴い、翌1970年、より大衆娯楽に徹した「アニメラマ」第二作、『クレオパトラ』を製作した。第三作の『哀しみのベラドンナ』の公開は3年後の1973年に持ち越され、「アニメロマネスク」なるキャッチフレーズで文芸色を狙ったが興行的に惨敗し、虫プロダクション倒産の一因となった。
【ストーリー】原案として『千夜一夜物語』を題材としているものの、本来のエピソードを縦断し自由にストーリーを組み立てている。また、本来アラビアンナイトとは関係のない女護ヶ島やバベルの塔のエピソードも組み込まれている。ストーリの骨子は、アルディンという野心ある若者が数々の冒険を経て地位と財産を得るものの、結果としてそれらの無常に気づいてすべてを棄ててまた旅立つ、というストーリーにアラビアンナイトの数々のエピソードを絡ませた構成になっている。
【映像表現】マルチプレーン・カメラによる色彩豊かで立体的なスペクタクルシーンのほか、着色モノクロームのようなシーン、漫画のような平面的な構図、鉛筆画による動画など、シーンごとに毛色が異なる極めて多彩な表現が入り混じった一種独特のスタイルを持っている。これは、山本監督の実験精神と、各シーンを任せた作画担当者の作家性を重視したものである。スプリットスクリーンを用いた印象的なシーンも山本のアイデアである。一部のシーンでは、絵コンテもストーリーボードもない状態で作画を任せていることもある。
【実写との合成】バグダッドの遠景や、塔の全景などがミニチュアで作られ合成された。製作は平松美術工房。山本監督によると、当初撮影時に通常のライトを当てて撮影したため非常にミニチュア然としたものになってしまい、急遽着色ライトに変更したという。これ以外にも、砂漠や海の背景が合成素材として用いられたり、また、竜巻のシーンは、洗濯機の渦巻きを撮影し合成した。
【性的表現】本作の特徴の一つは大胆な性的表現がアニメーションで表現されている点である。ただし、直接的な描写は少なく、メタモルフォーゼや抽象表現を多用し、またあえてピンクのフィルターをかけるなどして扇情を煽る表現となっている。女護ヶ島におけるシーンは多くを杉井ギサブローが鉛筆で作画している。また、手塚自身の作画シーンもある。