週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

Kindleライブラリに自炊マンガを追加して読むためにいろいろ試したが諦めた話

Kindleで自炊マンガを読むためにいろいろ試したのを、忘れる前にメモしておく…。

自炊したマンガのファイルを久しぶりに読もうと思い立った。
以前はWindowsの漫画ビューアでフォルダを丸ごと読み込んで、PCのモニタで見開き表示して読んでいたのだが、Macに移行してからは一度も読んでいなかった。
私は電子書籍の購入元をKindleに集約しているので、自炊マンガも購入したKindle書籍同様にオペレーションできるとうれしい。

実現したい要件を端末別に定義すると以下のようになる。

(1)Kindle端末
・(1.1)クラウド経由で自炊マンガをライブラリ表示
・(1.2)クラウド経由で自炊マンガを端末にダウンロード
・(1.3)右から左へスクロール
・(1.4)縦位置で片ページ表示
・(1.5)横位置で見開き表示

(2)Mac
・(2.1)クラウド経由で自炊マンガをライブラリ表示
・(2.2)クラウド経由で自炊マンガを端末にダウンロード
・(2.3)右から左へスクロール
・(2.4)縦組みのページは左右に2つ並べて見開き表示
・(2.5)横組みのページは単独で表示

(3)Amazon Kids+
・購入したKindle電子書籍と同様に、「ペアレンツダッシュボード」から子供のAmazon Kids+のアカウントに「コンテンツを追加」できること

ここからは、調べて分かったことを書いていく。

■アップロード手段

自炊マンガを自分のKindleライブラリにアップロードする方法については以下の3つがあるが、(3)の一択。

(1)eメール:古くからAmazonが最も推している手段がこれだが、なぜにeメール??ファイルコピーのログがeメールの送受信履歴に残るのは邪魔だし、容量的にも画像1枚ならまだ理解できるが、200枚くらいの画像ファイルの集合である電子書籍を、eメールなどで送りたくない。Gmailは添付ファイルの上限値が25MBのようで、この制限を回避する方法を取り上げたブログのエントリがたくさんある。だから、言わんこっちゃない…。

(2)Kindleアプリからアップロード:Mac版のKindleアプリでこれができれば良いのだが、なぜかこの機能を非サポート。iPhoneKindleアプリはこの機能を備えているが、Macでファイル化した自炊マンガをわざわざiPhoneに送るのはバカくさい。

(3)Send to Kindle for Web:以前調べたときはこんな方法は無かったと思うので、最近出来たのだと思うが、ブラウザで「Send to Kindle for Web (https://www.amazon.co.jp/sendtokindle)」を開き、epubファイルをドラッグ&ドロップするだけ。しかも、eメールやKindleアプリ経由でのアップロードだとファイルサイズ上限が50MBのところ、この方法だと200MBに上限が緩和されると言うおまけ付き。アップロード手段はこれ一択。

■mobi形式はオワコン、これからはepub形式

書籍の自炊で覚えておくべきファイル形式は以下の3つあるが、mobi形式はオワコン。

(1)mobi:epubは標準的な電子書籍のファイル形式だが、なぜかKindleでは昔から独自形式(?)のmobi形式を推してきた。しかし最近になってKindleでもmobiを廃止しepub採用の流れになっている。以下はAmazonのアナウンス。
「2021 年 8 月 1 日以降、リフロー型電子書籍に MOBI ファイルを利用できなくなります。リフロー型の電子書籍を新規に出版する、またはすでに出版されているものを更新するには、EPUB、DOCX または KPF をご利用ください。」
Amazonは、2022年後半から、同社の電子ブックリーダー『Kindle』デバイスEPUBフォーマットのサポートを開始する。」
「2022年後半からは、Send to Kindleを使用してMOBI(.AZW、.MOBI)ファイルをライブラリーに送信できなくなる」

(2)epub:上のAmazonの方針により、今後は「Send to Kindle」で自分のKindleライブラリに送る自炊マンガのファイル形式はmobi形式ではなくepub形式にする必要がある

(3)cbz:「Send to Kindle」ではサポートされていないが、自炊業界では一般的なファイル形式で、フォルダをzip圧縮し、拡張子をcbzに変更したもの。メタデータを保存したxmlファイルをアーカイブ内部に保存することもできるが、標準化はされていない模様。

■ファイル化手順

自炊マンガをKindle端末で読むためのファイル化するためのアプリで有名なものは以下の3つ。

(1)ChainLP:かなり色々オプション設定ができるようで、使ってみたかったのだがWindowsアプリのためMacでは使えず

(2)Kindle Comic Creator (Amazon純正ソフト):mobi形式出力のみ対応。epub形式に非対応のため使えないが、一応mobiファイルの出力を実施してみた。指定できるオプションはほとんどない。「縦組み/横組み」「右から左へ」のオプションを指定して「ビルド」してみると、ページ数分の画像ファイル(html形式)やメタデータファイルを含むフォルダおよび、(その中に)mobiファイルが生成された。mobiファイルだけ生成してくれればいいのに、全画像ファイルが別途生成されることにストレスを感じる。しかも元画像ファイルの合計が64MBなのに、生成されたmobiファイルの容量が118MBなのはどういう事なんだ。アプリの画面もなんかボヤけているし、碌にメンテナンスされていないアプリという印象で、いかにもダメアプリという感じ。

(3)Kindle Comic Converter (フリーソフト):epub形式出力に対応している。Amazon純正のKCCよりは指定できるオプションが多い。「Manga mode(右から左へ)」「出力形式:ebub」として「Convert」実施。Amazon純正のKCCと同様、ページ数分の画像ファイル(jpg形式)やメタデータファイルを含むフォルダおよび、(それとは別に)epubファイルが生成された。epubファイルの容量(106MB)が元画像ファイルの合計よりも大きくなるのも同じだが、アプリの画面はしっかりしている。

■ビューワー

フリーソフトのKCCでepubファイル化した自炊マンガを「Send to Kindle for Web (https://www.amazon.co.jp/sendtokindle)」にドラッグ&ドロップして、Kindleライブラリへのアップロードは成功。
これを読むビューワーはAmazon純正アプリの4つを試した。

(1)Kindle Fire端末のKindleアプリ:前提として、フリーソフトのKCCで生成したepubファイルは全ページ縦組みの画像に変換されていた。元が横長の見開きjpgファイルだったページも、真ん中で分割されて2枚の画像ファイルになっていた。これをKindleを縦にして読む場合は、表示も問題なくスクロールも右から左になっていてOK。しかし、Kindleを横にしてもなぜか見開き表示にならず、両側に黒い余白をたっぷりとった片ページずつしか表示されない。見開きページも既に左右の画像ファイルに分かれてしまっているため、半分ずつしか表示されない。NGだ。

(2)iPhone端末のKindleアプリ:(1)と同じ挙動。

(3)Amazon Kids+:「ペアレンツダッシュボード」から子供のAmazon Kids+のアカウントに「コンテンツを追加」する画面にアップロードした自炊マンガが表示されないため、「コンテンツを追加」ができない。ちなみにこの画面、購入した電子書籍が新しい順に一列に並ぶので、購入日時が古いものは下の方に埋もれてしまって長距離スクロールしないと出てこないのは何とかならんのか。

(4)MacKindleアプリ:こいつは、アップロードした自炊マンガを開いて表示することは一応できた(見開き表示)。しかし、「右から左へ」スクロールの設定が完全に無視され、見開きの左右ページが入れ替わって表示されてしまい、NG。これはバグだろう。本当に出来の悪いアプリだ。ちなみにこのアプリは全画面表示しても上部メニューや下部のページスクローラーを消すことができず、マンガ本体の表示がかなり小さくなってしまうので、普段から使っていない。

(5)ブラウザ版のKindleアプリをMacで使う:こいつは、購入したKindleコンテンツしか読むことができず、NG。

■まとめ

実現したかった要件ごとに結果を書く。

(1)Kindle端末
・(1.1)クラウド経由で自炊マンガをライブラリ表示:OK
・(1.2)クラウド経由で自炊マンガを端末にダウンロード:OK
・(1.3)右から左へスクロール:OK
・(1.4)縦位置で片ページ表示:OK
・(1.5)横位置で見開き表示:NG

(2)Mac
・(2.1)クラウド経由で自炊マンガをライブラリ表示:半分OK(Web版KindleアプリNG、KindleアプリOK)
・(2.2)クラウド経由で自炊マンガを端末にダウンロード:半分OK(Web版KindleアプリNG、KindleアプリOK)
・(2.3)右から左へスクロール:NG
・(2.4)縦組みのページは左右に2つ並べて見開き表示:NG
・(2.5)横組みのページは単独で表示:未検証

(3)Amazon Kids+
・購入したKindle電子書籍と同様に、「ペアレンツダッシュボード」から子供のAmazon Kids+のアカウントに「コンテンツを追加」できること:NG

結論としては、やりたかった要件の半分も満足できず、自炊マンガをKindleライブラリにアップロードして読むことは、すっぱり諦めた方が良さそうだとわかった。外出先で読んだり、端末を変えても続きから読んだりできたら便利だと思ったが仕方ない。
自炊マンガは元画像フォルダ(zipやcbzも)を直接読み込めるビューワーで読もう。