週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(感想)(NHK)BS世界のドキュメンタリー「人身売買 子どもたちの再出発」

【公式番組説明】
ガーナにある世界最大の貯水湖、ポルタ湖の周辺に点在する村では、子供の人身売買が普通に行われている。施設に保護され、生まれ故郷へ戻ってゆく子供たちの成長の記録。
ポルタ湖での漁業で生計を立てている村人たちは、人身売買で手に入れた子供たちに、絡まった網を素潜りして元に戻す危険な作業を強要、命を落とす子供たちも多い。そんな子供たちを保護しリハビリ施設で生活させた後、生まれ故郷へと戻していく活動を行っている団体がある。この施設に保護された2人の子供に密着。本来の姿を取り戻し、施設を旅立つまでの過程を描く。原題:THE RESCUE LIST/アメリカ 2018年

・「"人買い"たちは『短期の仕事だ』と貧しい親をだまして子供をポルタ湖に送り込む。帰ってくる子は稀だ」
・「現在約2万人の子供が広大なポルタ湖の人目につかない場所で奴隷のように働かされているとみられる」
・「ピーターは3歳で"人買い"に売られ17歳まで湖で働かされた」
・日本では見られない荒涼とした光景が映画みたいに圧倒的
・ポルタ湖は濁った泥水のような色の湖面に、枯れた木の幹がいくつも突き出していて、「犬神家の一族」のビジュアルのようにも見える異様な光景
・人身売買された子供達は「親方」の元で強制労働させられる。働かないと親方に殴られるので、否応なしに働くしかない。主な仕事は、湖の底に引っかかった漁網をほどくこと。湖は濁っているので手探りでの危険な作業で、網に絡まって溺れて死ぬ事故も多い
・子供を保護したNGO団体は、子供達を1年間リハビリ施設で教育しながら生活させたあと、親元に返す
・引き取りに来た母親と子供は、数年ぶり(?)に再会を果たす訳だが、日本人が想像するような「感動の再会」とはならない。母親も子供も、ものすごく微妙な表情だ。特に子供は、安心して暮らせる、同年代の友達と楽しく勉強し、暮らした施設を後にして、貧しい村に帰ることの不安が隠せない様子。
・子供を「親方」に売り渡してしまった親は、「強制労働させられるとは知らなかった」などとNGO職員に説明するが、その表情を見ると本当のことを言っているようには見えない。きっとどうなるのか分かっていながら、貧困のために売ってしまったのだろう。子供を引き渡す面談の最後、母親が何かをボソッと言い、それを通訳者が「感謝している」と訳すが、母親の表情は明らかにそういう感じではない。
・ピーターという子供は、村長と母親に再会したとき、村長さんのことは覚えているが、母親のことはほとんど覚えていない様子。そして、村に帰っても村長さんと暮らすことを選ぶ
・村に帰る子供達にNGO職員は言う。「村では、食事が一日一回しか食べられない日もあるでしょう。でも、覚えておいて。学校が一番大事。何があっても学校には通うこと」

すごいドキュメンタリーだった。
ガーナの田舎の村の地獄っぷりに戦慄した。
結局、貧困こそが不幸の元凶なのだと思う。
農業をやるにしても漁業をやるにしても、十分に機械化がされておらず、輸送するためのインフラも不十分だと、効率的な生産活動ができず、貧困から抜け出せない