週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

Amazonにレビュー権限をBANされた話

私は5年くらい前から、Amazonレビューを1〜2日に1本くらいのペースで投稿しており、なかば趣味としていた。AmazonレビューとはAmazonの商品ページにユーザーの声として掲載されるアレだ。投稿していた主な商品ジャンルは製品ではなく、映画やアニメ・漫画や本などの作品。他の人のレビューとともに1ユーザーのレビューとして掲載されるため、自分のブログに「映画レビュー」として記事にするときほど気合を入れて文章を書く必要がなく、「とても面白かった。おすすめ!★5です。」みたいな軽いノリで投稿することができ、自分のための記録にもなるし他の人の役にも立つし、私はこの習慣をとても気に入っていた。

ところが、先日急にAmazonにその資格を剥奪(BAN)されてしまった。理由は不明。Amazonに抗議するも決定が覆ることはなく、私は5年に亘って続けてきた習慣を1日で失った。

やり場のないこの悔しくて悲しい気持ちを供養するためにこの記事を書く。

Amazonによる「レビュー審査」

Amazonレビューは投稿して即反映されるのではなく、Amazonが内容を審査したのち反映されるというプロセスをたどる。審査の所要時間は早いと2分くらいで長い場合は5日くらい。禁止事項は一応ガイドラインとして公開されていて、以下のようになっている。

・出品者、注文、配送に関するフィードバック
・価格、在庫状況に関するコメント
・サポートされていない言語で書かれた投稿
・繰り返しの文章、スパム、シンボルで作成された画像
・プライベート情報
・乱暴な言葉、嫌がらせ
ヘイトスピーチ
・性的な内容
・外部リンク
・広告、利益相反行為、販促コンテンツ
・報酬付きレビュー
・勧誘
著作権違反、盗作、侵害、なりすまし
・違法行為(暴力、薬物、未成年飲酒、虐待、etc...)

ガイドライン自体は納得できるもので、言われるまでもなく気をつけていることばかりなのだが、アウト・セーフの基準はあくまでAmazonが決めるため、気をつけて投稿していてもガイドラインに抵触して掲載が却下されてしまうことは珍しいことではない。レビューの掲載が却下された場合、「ガイドライン違反のため掲載できませんでした。内容を書き直して再度投稿してください」という旨のメールが届く。具体的な違反箇所は問い合わせても絶対に教えてくれないので、自分が書いた文章の中でガイドラインに抵触している可能性が高い部分を修正し、審査が通るまで再投稿することになる。大抵の場合は違反箇所になんとなく見当をつけられるのでそこを削除して投稿しなおすだけで審査を通過することができる。

私が今まで却下された理由は、覚えている限りで「著作権違反」「プライベート情報」「乱暴な言葉」「サクラレビューの指摘(告発)」の4つ。

著作権違反」は、本の目次などの写真を添付したときに却下されたことがある。個人的な見解としては限定的な引用なので著作権違反にはあたらないと思うし、場合により審査を通ったり却下されたりして基準があいまいなのはなんとかして欲しいが、基本的にはこの理由で却下されることは妥当と納得できる。

「プライベート情報」は、おもちゃで遊ぶ我が子の動画を載せた時に却下された。これも子供がどのくらいおもちゃに夢中かという情報がレビューとして有用だと思ったからこそ動画を載せたのだが、これもまあ妥当と納得できる。

「乱暴な言葉」は、北野武の映画「アウトレイジ」でヤクザのケンカの場面の言葉の応酬が面白かったので書き起こして引用したところ却下された。

「サクラレビューの指摘(告発)」は、ガイドラインには記載されていないので裏ルール(?)だと思うのだが、サクラレビューを指摘した場合もなぜか掲載却下となる。レビューの品質向上に寄与する指摘がなぜ却下されるのか理解に苦しむのだが、2回もこれが原因で掲載却下されたので間違いない。そのうち1回は、商品に同梱されていたサクラレビュー依頼のカードを商品の写真の隅に写し込んだだけ(文章ではサクラレビュー言及なし)で掲載却下された。すごい徹底ぶりだ笑。

Amazonによる「レビュー審査」は、投稿した文章の中のどの箇所がガイドラインに抵触するのかを絶対に教えてもらえないことが腹立たしいが、レビュー1つ1つについて審査してくれるのでレビュー投稿者としては十分に対処可能で、またあの場所の秩序を守るために必要だと納得もできる。

■今回AmazonでレビューBANされたいきさつ

ここまでで、Amazonレビューは掲載される前にAmazonによって審査されること、ガイドラインの基準にあいまいな部分が残るためにガイドライン違反を完全に避けるのは難しいが、審査で却下された場合に文章を修正して再投稿できるためにレビュー投稿者としては十分に対処可能なことを書いた。

実際、幾度かレビュー掲載が却下される経験をしながらも、そのたびごとに文章を修正して投稿することでガイドラインのアウト・セーフのラインも当初よりは分かるようになったし、思いがけず違反してしまった場合もペナルティがないため安心して投稿することができ、5年に亘ってAmazonレビューを書く習慣を続けてきた。

それが今回AmazonでレビューBANされるに至ったのは、先日受け取った「Important Information About Your Posts」というタイトルのeメールがきっかけだった。内容は「先日お客様より投稿いただいた1件あるいは複数の投稿について、コミュニティガイドラインに抵触していることが確認されたため、削除させていただきました。ガイドラインに抵触する内容が再度投稿された場合、お客様のアカウントに対してレビューの利用を一部制限させていただく可能性がございます。」というもの。いつもレビューを投稿すると、レビュー1件につき1通のeメールで、そのレビューが掲載されたのか却下されたのか結果が通知されるのだが、このメールはどの投稿が対象なのかはっきりせず、タイトルも英語のまま、本文も非礼で高圧的で非常に不気味な印象を受けた。

前述のように、Amazonレビューは投稿ごとにAmazonの審査があり、審査に通ったものだけが掲載されるシステムのため、一度Amazonの審査を通って掲載されたものが時間をおいて却下されたのもこれが初めての経験だった。

私はAmazonに投稿したレビューの文章は全て自分のメモアプリに保存しているため、それを元にして投稿日の新しい順から見ていって削除されたレビューを特定した。

削除されたレビューの内容を見直した結果、レビュー文章の中で「チン○」という俗語を使ったことがガイドラインに抵触したと私は判断した。そして、その俗語を正式な呼称に変更してレビューを再投稿した。再投稿したレビューはほどなくして承認され掲載されたため、「チン○」はAmazonレビューにおいてNGワードなのだと私は理解した。

それから半月ほど経った頃、また「Important Information About Your Posts」という前回と同じタイトルのeメールを受け取った。内容は「先日Amazon.co.jpでのレビュー投稿についてご連絡を差し上げましたが、お客様の投稿が再度コミュニティガイドラインに抵触しておりましたため、投稿いただいておりました全てのレビューを非掲載とさせていただきました。今後お客様は、Amazon.co.jpにてレビューを投稿いただくことができません。Amazon.co.jpでは、お客様のアカウントにおける投稿状況を慎重に調査のうえ、今回の判断を行っております。なお、この判断については変更されることはございません。Amazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございました。」というもの。

ぴえん。一体私がどんな悪事を働いたというのか。

この記事だけ読むと、「チン○」のレビューを再投稿したことが原因のように見えるかもしれないが、投稿してから時間差で投稿が却下されるパターンがあると発覚した以上、私が過去に投稿した1000件以上のレビューが対象になると考えるのが妥当だ。もしかしたら、警告のeメールが来てからの私の投稿に問題があったのではなく、過去の投稿が再審査されて2回目の”ガイドライン違反”が自動的に発見されてBAN、となったのかもしれない。もしガイドラインの改訂によって過去の投稿が問題になったのなら、その投稿だけを削除してくれればいいのに。まあこれも推測にすぎず、とにかく何もかもが分からない。

Amazonに抗議

インターネット検索で「Amazonレビュー BAN」で検索してみると、私と同じようにやましいことをした覚えがないのにBANされた人がたくさんいて、ほとんどの人はAmazonに抗議して元に戻してもらっている。私の元に来たeメールには「お客様のアカウントにおける投稿状況を慎重に調査のうえ、今回の判断を行っております。なお、この判断については変更されることはございません。」というかなり厳しい文章があり、これをそのままに受け取れば望みは無いことになるが、一応抗議してみることにした。

問い合わせ先はAmazonにログインした状態で「問い合わせ先」などを辿っていくのが本来のやり方なのだろうが、そのようにしてもヘルプページを延々と読まされるばかりなので、先人のやり方にならってeメールで「[community-help@amazon.co.jp](community-help@amazon.co.jp)」に問い合わせることにした。

内容は以下のようにした。

・私はサクラレビューに協力したことはなく、その他のガイドラインの項目も遵守するように注意しながら利用してきた。日頃Amazonを利用して善意でレビュー協力までしていた顧客に対してあまりにも高圧的で非礼な仕打ちであると感じており、抗議する。

・そもそも今回、何がガイドラインに抵触したのか明示してくれないのでわからないし、ガイドライン違反をしないように気をつけながら利用してきたにも関わらず、ほぼ無警告でいきなりBANされて残念に感じている。これまで5年に亘り1000件以上のレビューを投稿し「投稿ありがとうございます」という感謝の言葉とともに掲載されてきたのに…。

・今回の決定が誤りでないかどうかもう一度調査して欲しい

ガイドラインを遵守しようと努力しているユーザーに対してこのような処分をするのであれば、ユーザーは安心してサービスを利用できない。大量に購入しているKindleのデータなどもある日BANされて利用不可になるリスクがあるということか、教えて欲しい。

結果、1日ほどで返事が来た。私の投稿に違反があったということがもう一度書いてあり、「今後本件で問い合わせても返答しません」という思いっきりテンプレの内容だった。私の質問に対する回答も一切無し。撃沈!

現在の私のAmazonアカウントはレビューする権利だけが取り上げられた状態で、普通の買い物はできるし購入したKindleにもアクセスできる状態だが、これ以上この件で問い合わせを続けたらこれらの機能もBANされそうで恐ろしいので、このまま泣き寝入りすることにした。

本当に何が悪かったのか分からないし、このまま「前科持ち」みたいな状態でAmazonを利用し続けなければならない状況が悔しいしとても不安だ。これからAmazonのレビューを見るたびに、購入したKindleを開くたびに不安な気持ち・嫌な気持ちになるのだ。

■雑感とこれから

今回、Amazonにされた仕打ちを私の実感で例えると次のような感じだ。

毎日近所のスーパーで買い物していて、店員さんもいつも「毎度ありがとうございます」と挨拶してくれて良い関係を築けていたはずなのに、ある日入店すると一変した態度で「お客様はガイドライン違反を犯していたため、当店を利用いただけません」「え、どこが違反していたのですか?」と聞いても同じことを繰り返すだけでろくに理由も説明してもらえず店にも入れてもらえない。

これって、リアル店舗でやったらけっこう重大な人権侵害として問題になるのではないだろうか。インターネットサービスは怖い。

類似の事例には「Twitterで垢BANされた」とか「Googleフォトに子供の入浴画像をアップロードしたら児童ポルノとみなされてBANされた」などを聞いたことがあるが、自分の身に起こるとは思っていなかった。しかも、GoogleTwitterは基本的に無課金で使うサービスだが、私はAmazonで毎年かなりの額の買い物をするヘビーユーザーでAmazonプライムにも10年くらいずっと加入している。ひどい、ひどすぎる。ひょっとしてAmazonはロボットに乗っ取られてロボットが運営するディストピアみたいな会社になってしまったのか?とても血の通った人間が運営しているとは思えない。

レビューアカウントBANに際し、投稿済みのレビューが即日削除された点にも抗議する。1投稿あたり平均500文字×1000投稿で計算すると私は約50万字もの文章を預けていたことになるのだが、これが事前予告なしに即日削除された。私はメモアプリに全てのテキストを保存していたので事なきを得たが、多くの時間を費やして生み出した文章は、他の人にとっては駄文であっても私にとっては財産だ。顧客から預かった財産を一方的に破棄することが許されていいはずがない。たとえば銀行が、顧客から預かった預金を一方的に破棄することがあるか?ありえない。

大手サービスのこういう横暴に対しては、1ユーザーで抗議しても全く意味がないから、消費者庁あたりの指導により是正してもらいたい。理由を明示せずにアカウントBANすることに対する規制とか、ユーザーが預けたデータを勝手に削除することに対する規制とか、ユーザーが預けたデータを一括でダウンロードする仕組みの実装の義務化とか。

1ユーザーの立場でできることは、特定のサービスに依存しすぎないように気をつける事と、いつでもそのサービスから別のサービスに乗り換えられる準備をしておくことだ。

個人的に、次に危ないと思っているのはGmailだ。私がメインで利用しているメールサービスはGmailで、サブで利用しているメールサービスは実質無いため、これは非常にリスクが高い状態といえる。もし、今回のAmazonみたいにGoogleからアカウントBANをくらうような事になったら大混乱だ。なにせほぼ全てのインターネットサービスのアカウントはメールで登録しているから、メールアドレスが閉鎖されたらそれらのインターネットサービスにアクセスできなくなる可能性がある。

ただ、特定のメールサービスに依存している状態を放置しているのは私が怠惰なためだけではない。ほとんどのインターネットサービスで、サブメールアドレスの登録ができない事に問題がある。サブメールアドレスではなく、電話番号を本人確認の2つ目の手段とするのでもいい。ユーザーが特定のメールサービスに依存することを防止するため、インターネットでサービスを展開する大手の事業者にメインメールアドレス以外の2つ目の本人確認手段を登録する仕組みの実装を義務付けること。これも消費者庁の重要な仕事と考える。

…なんて、世の中への提言をこんなところに書いたところでたぶん何の意味もないのは分かってる。1ユーザーの立場でできることは、特定のサービスに依存しすぎないように気をつける事と、預けているデータを別途バックアップすること、いつでもそのサービスから別のサービスに乗り換えられる準備をしておくことだ。

Gmailに過度に依存しているリスクに関しては、Gmailデータの定期的なバックアップやサブメールアドレスの活用など、リスクを低減する自衛策を始めようと思う。

Amazonは正直言って他のサービスで代替が効かないので、恐る恐る付き合っていくしかない。数十万円分購入済みのKindle電子書籍Amazonに人質に取られているようなものだし、細々と使っているセラーのアカウントも副業のオプションとして大事に持っておきたい。つくづく、今回不当にユーザーとしての機能を制限されたことが残念だ。

(おわり)