週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー)「海が走るエンドロール」 (漫画 2020年〜)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:「海が走るエンドロール」 (漫画 2020年〜)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B09PFNPYXS
評価:★5(★★★★★)

Kindleのポイント増量セールのときに1〜4巻を買っておいたのを読んでみたら見事にハマってすぐに4巻まで読み終えて最新刊の5巻も購入した。

【あらすじ】
主人公の茅野うみ子は夫と死別したばかりの65歳の女性。数十年ぶりに訪れた映画館で美大生の海(カイ)と出会う。海に「(あなたは映画を観るだけではなく)『映画作りたい側(こっちがわ)』なんじゃないの?」と言われ、心がざわつく。忘れ物を届けるために美大を訪れて海の作品を観たうみ子は、「自分が作品を作るなら…」という想像がさらに膨らみ、ついに美大に入学して映画を作る道を歩み始める。

“おばあちゃん”が年齢というハンディを超えて趣味の世界で頑張るというストーリーは別の漫画作品「メタモルフォーゼの縁側」でも読んだが、「メタモルフォーゼ」の主人公はあくまで遅まきにBL作品の魅力を知った、作品の受け手側。本作の主人公・うみ子さんは作品の送り手側だから矜持が段違いすぎる笑。

65歳で美大生になったうみ子さん。同級生の美大生に”おばあちゃん”と呼ばれたり逆に過度に気を遣われたり、近所に住むおばさんや親戚の「女だてらに…」「好きにできていいわね、うちは旦那がとても許してくれない」「老後の趣味」「勝ち組」などいろいろ言われてしまう。老人ってこういう侮辱(?)をされるとブチ切れるのが普通だけど、モヤりながらも他人の評価を落ち着いて受け流すうみ子さんは大人で素敵だ。そんなうみ子さんも自分ではついそういう言葉を自虐で口にしてしまったりするが、「自虐は相手にとっては面倒」となるべく言うのを我慢したりするところも大好き。

うみ子さんと海の関係も特筆だ。お互いに「うみ子さんを撮らせてください」「海くんを撮りたい」って、完全に両想いなんだけどもちろん通常の恋愛とは違くて、だけど通常の恋愛みたいにドキッとさせるカットもあり…。65歳の女性と20歳そこそこの男子の恋愛を描くとなるとさすがにストーリーのご都合主義に思えてしまうところ、同じ映画の道を歩む同士としてのリスペクトの上に「これは恋…?いや違う?」くらいの気持ちになることは確かにありそう。上手い。

しかもうみ子さんのお相手は海くんだけじゃない。インフルエンサーの空(sora)くんにもモテちゃう笑。これだけ聞くとさすがにご都合主義に思えるかもしれないけど、実際に読むと「あるかも」と思ってしまうからやっぱこの作者は上手い笑。海くんも空くんもミステリアスで魅力的なのだが、この作者さんはBL作品も描いているようなので、その辺は得意中の得意なのか。

美大の同級生の山口さん、高階さんのキャラもとても良い。とくに山口さんが海くんに片想いするエピソードは微笑ましくて可愛くて、そして漫画として面白くて大いに笑った。

もうすぐ単行本の6巻が発売されるが、発売日に購入するつもりで待ち構えている。