週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー)「金の国・水の国」 (アニメ映画 2023年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:「金の国・水の国」 (アニメ映画 2023年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B8QCHKX8
評価:★3(★★★☆☆)

【概要 (Amazon公式より)】
100年もの間国交を断絶してきた戦争寸前の2つの国。商業国家で水以外なんでも手に入る裕福な<金の国・アルハミト>と、貧しいが豊かな自然と水に恵まれた<水の国・バイカリ>。国の思惑に巻き込まれ、突如、“偽りの夫婦”を演じることになった敵国同士の“金の国”の王女サーラと“水の国”建築士ナランバヤル。2人は自分でも気づかぬうちに、恋に落ちてしまう。“金の国”の深刻な水不足によるサーラの未来を案じたナランバヤルは、戦争寸前の2つの国に国交を開かせようと決意する。そして2人がついた“小さな嘘”が、国を揺るがす大事件を巻き起こし、やがて国の未来を変えていくことに――。国をも動かす2人の恋、その先にある、誰もみたことのない奇跡とは――?©岩本ナオ小学館

原作は292ページの短編漫画作品。劇場公開時、「予定が合えば見てみよう」と思っている間に公開が終わってしまって気になっていた作品。2024年3月、Amazonプライムビデオの無料特典に入ってきたので見てみた。

結論を先に言うと、悪い意味で子供向けの童話絵本みたいで大人が見るには物足りない作品だった。これが「長く語り継がれている童話です」というなら「いい話だね!」となるが、オリジナルストーリーならもうちょっと作者のこだわりを感じたい。

エンディングのアニメは数年後のエピローグを描いていたのだがすっかり興味を失っていたためエンディングは最後まで確認せずに画面の前を離れた。劇場まで見に行かなくてよかった。

ストーリーが安直なのはまあ良い。王道ストーリーならではの良さってのもあるから。だけど、キャラや世界観の作り込みはもうちょっとしてくれないと見ていて白けてしまう。演出も良くなかった。以下列挙する。

・展開がご都合主義すぎる。それなりに登場人物がいて、それぞれが自分たちなりの正義があって反目しあっていたのに、最後にはあっさりとみんなが同じ方向を向くのはいくらなんでも都合が良すぎる。キャラがただの舞台装置になっていて薄っぺらい。
・脇役キャラだけでなく、主人公の2人も描写が足りない。本物の人間ならもっといろいろな個性が欠点も含めてあるはずだが、2人とも「いいひと」以上のキャラがあまり見えてこないため愛着が湧いてこない。
・設定も浅い。徒歩で行き来できる距離で方や水が豊富で方や水不足ってどういう地形なのか。国境付近で井戸を掘ればたくさん水が採れるのではないか。「対立している」という割に国境警備もないし、それに「水に困っている」ていう割に料理は美味そうで、じゃあ具体的に何に困っているのか?水不足なら風呂や洗濯が満足にできなくなりそうだが身なりが綺麗すぎる。「あと50年で水が枯渇する」ってどういう状態?「金の国・水の国」という設定を描写で見せてくれないので、記号的な設定のまま無理やり飲み込むしかない。
・人々の生活が見えてこない。特に「金の国」の方はアラビア風のモスクが立ち並ぶ遠景のカットが何度も出てくるが、その生活が描かれていないので、やはりこれも「豊かな国」という記号的表現に留まってしまっている。
・「飲み比べで賭けをしませんか?」「国王の頭痛を治せるか賭けをしませんか?」短い映画の中で2回も同じような展開が出てきてゲンナリした。しかも「飲み比べ」の方は勝手に村人を賭けの対象にしててひどすぎない?笑
・城内の追いかけっこのシーンで歌詞付きの挿入歌が流れるのも萎えた。終劇まで20分も残っているタイミングで「勝ち確定」演出は早すぎるし、この動きが少ない作品の中で唯一といっていい動きのあるアニメーションとしての見せ場でこういう手抜きをするなら、あなたたちは何のためにアニメーションを作っているのかと言いたくなる。本作の作画は綺麗だったが、感動できるほどの絵力が無かった。
・ここぞというときのセリフが抽象的すぎてあまり心に響いてこない。「ただ…ずっと続けばいいと思った昨日を少しでも守れるなら傷つくことなど恐れている場合ではなかったのです。たったそれだけの…ことなのです」「いつでも難しいほうの道を選んでください」ってセリフがあったが、巻き戻して確認しても意味がよく分からない笑。
・「王族だけが知る秘密の通路」が非現実的すぎてなんか笑ってしまった。ここまでがほんわかしたファンタジー風のアニメだったのに急に「カリ城」か「ナディア」みたいなギミックが出てきてアンマッチじゃない?それにあの”秘密の通路”目立ちすぎだろ笑。
・その”秘密の通路”が「2人で乗ったら崩れ落ちて死ぬかも」っていうことで乗る事すら躊躇していたのに、いざ乗ってみたら壁側に必死にへばりつく事もしないどころか、観客によく顔が見えるように(?)横並びで歩いて、しかも姫様が外側。姫様が強心臓すぎる笑。しかもそこに敵役の王様が現れて、長い長い会話劇が始まる。ここは本作最大の見せ場なので、いろいろ列挙した欠点の中でもここのガッカリ度が一番大きかった。