週休3日サラリーマンのブログ

空気を読まないサラリーマンをやってます。1980生まれ男です。既婚。2011年生まれ息子、2013年生まれ娘あり。

(チラ裏レビュー) 女子校力 / 杉浦由美子 (本 2013年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:女子校力 / 杉浦由美子 (本 2013年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/4569811779
評価:★5(★★★★★)

娘の中学受験の志望校選びのため、女子校の特徴について書かれた本を何冊か図書館で借りてきて読んだのだが、本書が一番参考になった。

この本はストーリー運びがとにかく鮮やか。第1章で女子中学から共学高校へ進学した女性へのインタビューをまとめているのだが、これが女子校と共学の違いを端的に表していて、第1章を読むだけで知りたかった情報の大半を得ることができる。第2章では1980年代の女子校に何が求められていたのかと、それから30年近くかけて男女共同参画社会が進むにつれてそれがどう変わっていったかが説明される。第3章は恋愛の話で、いろいろな女性が自らの恋愛観(セックスの話も含む)を語っていて、通常あまり大っぴらにされるような話ではないので非常に参考になるし、娘が年頃になったら読ませたいと思った。第4章は仕事の話で、おおざっぱに言うと共学出身者はコミュ力に長けていて、女子校出身者は空気を読まずに自分の意見を主張する傾向があるのでそれが吉と出るか凶と出るか。第5章は「女子校はどこへ行くのか」というタイトルで女子校の未来が語られる。

以下、2章から3章の内容の備忘のためのメモ。

(p.50)「女子校にスクールカーストはない」:
一般的に言って、現代の女子校にはカーストはない。女子校には男子の目がないため同級生は姉妹のような関係になり、ガリ勉の姉、オタクの次女、ギャルっぽい三女、様々なタイプが集まってもそれはあくまで姉妹のように敵対関係は発生しない。一方共学の場合には男子の目があるためそれは小さな世間であり、カーストが発生する。メイクが上手でやせていてスタイルがいい”かわいい”女子がカーストが高い。

(p.64)「1980年代の女子校には階級が存在した」:

現在、女子校の偏差値は男子校・共学校同様に大学への進学実績が影響するが、1980年代は進学実績以外に「お嬢様ブランド」が影響した。学力よりも苦労せずに付属の大学や短大に進学することがステイタスとされたのだ。当時は女性が自らキャリアアップすることが難しい一方、日本の景気も良かったので勝ち組の男性に選ばれることが女性の人生戦略として最も有力だった。現在の社会はその逆なので、かつて「お嬢様ブランド」が売りで現在進学校としての実績が振るわない女子校は偏差値が下がる傾向がある。
【1986年と2013年の偏差値比較】
聖心女子学院:64→46
跡見学園:62→44
・共立女子:62→53

(p.71)「実家の家柄で自分のカーストが決まる」:
跡見学園は漫画「はいからさんが通る」のモデルとなった女子校。1980年代当時の跡見にはしっかりとしたスクールカーストがあり、それは実家の「家柄」で決まっていたという。

(p.74)「ホームルームで美人コンテストが開かれた」:
引き続き1980年代の話。近代化の中で結婚が”家と家”のものから”個人と個人”のものになっていき、美貌という”飛び道具”があれば実家カーストを打ち破っていい条件で結婚できるようになっていった。この流れは現在まで続いているが、1980年代は景気が良かったのでさらに可能性が大きかった。こういう背景の中、「ホームルームで美人コンテストが開かれた」とは当時東洋英和に通った女性の話。現在は東洋英和も進学校だが、”モテ系”女子校として名高い。

(p.79)「良妻賢母からキャリア育成へ付属校も進学校化」:
1980年代、名門女子短大の人気が高かったことを示す資料が引用されている。
「進学ガイド 1984年9月号」
>短大は4年制大学に比べて学校数が多いが、バツグンに就職率がいいので、志願者は年々増加している。短大の上位校は昔から「アオタン・トンタン・ガクタン」といわれ、青山学院、東京女子、学習院の3校であった。いまは上智がトップに急上昇し、立教女学院もかなり肉薄してきた。同じ大学の4年制に受かって短大に落ちたという例も珍しくない。
ところが1990年代にバブルが崩壊すると企業は余裕がなくなって、職場に”華”を飾っている場合ではなくなり、女子にも男子と同様に働ける能力を求めるようになった。結果、短大の価値も落ち、名門・山脇学園短大や跡見学園短大も閉学、学習院女子短大は4年制女子大となった。

(p.108)「かわいくないと女子大では不利になる」:
節のタイトルは、インタビュー対象の20代の女性が語った持論。この女性は「女子大で彼氏を作ろうとしたら、インカレか合コンで一目惚れに近い形で瞬間的に相手を惹きつけないとダメ。」と語り、「(容姿が優れていない自分は)共学の大学で時間をかけて交流しながら交際相手を見つける」という戦略で、実際にそうしてサークルで仲良くなった男性と交際を始めた。